このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「電信柱」です。
耳もとでおしやべり雀の聲がして、
電信柱は眼がさめた。
野菜ぐるまの絶えたころ、
工夫がコツコツやつて來た。
おひるすぎから風がでた、
子供がお耳をおつつけた。
絲を切られたふうせんは、
鼻をかすめて飛んでつた。
夕燒小燒で日がくれた、
あたまの近くへ星が出た。
足もとで救世軍がうたふので、
電信柱はねむなつた。
(電信柱:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
誰も電信柱のことなんか考えたりしません。
みすゞさんにかかると、
どんなモノも詩になるから不思議です。
身辺のあらゆるモノに
興味を覚えるところが
さすがだなあと思います。
鈴木 澪
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