このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「紙の星」です。
思ひ出すのは、
病院の、
すこし汚れた白い壁。
ながい夏の日、いちにちを、
眺め暮した白い壁。
小さい蜘蛛の巣、雨のしみ、
そして七つの紙の星。
星に書かれた七つの字、
メ、リ、ー、ク、リ、ス、マ、七つの字。
去年、その頃、その床(とこ)に、
どんな子供がねかされて、
その夜の雪にさみしげに、
紙のお星を剪つたやら。
忘れられない、
病院の、
壁に煤けた、七つ星。
(紙の星:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
子供にとっては楽しいはずのクリスマス。
病院でもクリスマスの
お祝いをしたのでしょう。
病院の子供を思い、
去年の病室を思い出しているみすゞさんです。
鈴木 澪
印象深い詩です。
作曲した時も、ずっと時間がすぎた
今も星にかかれたメリークリスマス、
このあとの一字にどんなメロディーを
かこうかと考えたあの作曲の日。
「七つ星」を発見!
大西 進