このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「落葉のカルタ」です。
山路に散つたカルタは
なんの札。
金と赤との落葉の札に、
蟲くひ流の筆のあと。
山路に散つたカルタは、
誰が讀む。
黒い小鳥が黒い尾はねて、
ちちッ、ちちッ、と啼いてゐる。
山路に散つたカルタは
誰がとる。
むべ山ならぬこの山かぜが、
さつと一度にさらつてく。
(落葉のカルタ:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
落葉をカルタになぞらえるところが
とてもみすゞさんらしいです。
そのカルタに書かれた文字の流派が
「
虫くい流」なんて愉快な発想。
小鳥が読んで、取るのは風、
この短い詩の中に
自然の美しい物語があります。
鈴木 澪
そして、もう落葉のおはなし。
むべ山風を嵐というらん……、
むべ山ならぬこの山かぜがとは
みすゞさんにしてめずらしい引用が。
大西 進
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