このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「お月さまの唄」です。
「あとさま、なァんぼ。」
「あとさま、なァんぼ。」
ばあやは教へてくれました、
ちやうどこのよな夕月に。
「十三、九つ。」
「十三、九つ。」
いまは、弟に教へます、
おなじお背戸で手々ひいて。
「まだ年や、わァかいな。」
「まだ年や、わァかいな。」
私はこのごろ唄はない。
お月さまみても、忘れてた。
「あとさま、なァんぼ。」
「あとさま、なァんぼ。」
みえぬばあやが手々ひいて、
おもひ出させてくれるよな。
(お月さまの唄:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
月令という言葉はいつから
使っていたのでしょうか。
昔の人たちは、自然をよく観察して、
自分たちの生活に取り入れていました。
昔の月は今見る月よりもっともっと
大きくきれいだったのでしょう。
大きなきれいな月を見ると、
まだ元気だったおばあさんのことを
思い出します。
みすゞさんもおばあさんの
教えてくれたことを思い出します。
鈴木 澪
明日もぜひ見て下さいね。
(更新は午前中の予定)