このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「遠い火事」です。
遠い火事、
忘れたやうに、みんなして、
戰ごつこをしてゐたよ。
消えた、消えた、と駈けて來た。
誰かの鼻先、工兵が、
敵の地雷をつかまへた。
勝負がついて、みちばたで、
みんながせいせいいつてたら、
三番組が引上げた、
らつぱ吹き吹き通つた。
みんな、だまつて見送つた、
黒くポンプのゆく空にや、
半分かけたお月さん、
とても大きな傘さしてた。
(遠い火事:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
子供時代というものは、
実に無責任に遊んでいればいいのですから
のんきなものです。
それでも少しは子供心にも感じたりもします。
鈴木 澪
戦争ごっこは敵味方に2つに分かれてします。
それぞれ役があり、馬になったり
地雷役になったりします。
草かげにひそんで誰かが近づくと
ドカーンといって相手と共に死んだふり。
あそびは夜になると終ります、ふと見上げる空。
大西 進