このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「あるとき」です。
お家のみえる角へ來て、
おもひ出したの、あのことを。
私はもつと、ながいこと、
すねてゐなけりやいけないの。
だつて、かあさんはいつたのよ、
「晩までさうしておいで」つて。
だのに、みんなが呼びにきて、
わすれて飛んで出ちやつたの。
なんだかきまりが悪いけど、
でもいいわ、
ほんとはきげんのいいはうが、
きつと、母さんは好きだから。
(あるとき:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
怒られてすねていても、
お友達が呼びに来ると何もかも忘れて
いっしょに遊びにいってしまうのが子どもです。
思い出してもあとのまつり。
鈴木 澪
昔、家の中の仕事はたくさんありました。
なんでも人の手でするからです。
今はチーン、ポーンと自動の世の中ですけれど。
子どももたくさん次々とあれしなさい、
これ手伝ってといわれます。
あそびたいさかりの子どもは
「なんで私ばっかりに用事を言うの」
とプンとふくれます。そこでおこられてしまいます。
「すねる」、子どもの生活に大きな位置をもつことば。
大西 進