──もうすこし、
──もうすこし。
芒はせい伸びしてゐます。
あまり照られてしほれそな、
白いやさしいひるがほを、
どうにか、蔭にしてやろと。
──もうすこし、
──もうすこし。
お日はぐづぐづしてゐます。
まだまだ籠は大きいに、
あれつぽちしかよう刈らぬ、
草刈むすめがかあいそで。
(芒とお日さま:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
みすゞさんの優しさがあふれた詩です。
このような心使いをみんなでできたなら、
この世はきっと住み良いところに
なるだろうと思います。
鈴木 澪
草がのびるのは、こんなにやさしい心なんて、
すてきな発見のみすゞさん。
日陰をつくる。いっぱいのびて日陰をつくる。
草刈りする娘がたくさん刈れるように、
お日さまが応援しているなんて。
大西 進
このページは Cookie(クッキー)を利用しています。
このサイトでは快適な閲覧のために Cookie を使用しています。Cookie の使用に同意いただける場合は、「同意します」をクリックしてください。詳細については Cookie ポリシーをご確認ください。 詳細は こちら