このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「箱のお家」です。

 

 箱のお家が出來ました。

 

もう、石鹸の箱でもないし、

 

お菓子箱でもありません。

 

それは私のお家です。

 

表に白い石の門、

 

裏にはきれいな花畠、

 

お部屋はみんなで十一間

 

とてもきれいなお家です。

 

そして私はそこに住む、

 

小さなかはいいお嬢さま。

 

きれいなお家がこはされて

 

かさねた箱になつたとき、

 

私は、古びた、かたむいた、

 

お部屋の柱を拭いてます。

 

(箱のお家:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

                    

 

シンデレラが12時を過ぎると、

 

ただの貧しい女の子になるという

 

お話しに似たところのある詩です。

 

石鹸の箱が家になるなんて、

 

空想家のみすゞさんでないと、

 

こうはいきません。 

 

鈴木 澪

 

 

みすゞさんの思想の飛躍でしょうか、

 

それともそのものになりきって。

 

でもすぐ日常のありふれた生活に

 

ひきもどされるのですな。

 

こうしてみる夢の数が大人になるにつれ、

 

少しずつ無くなっていきます。

 

大西 進