このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「隣村の祭」です。
垣のなかから見てゐると、
いろんな色がすぎてゆく。
みんな東をさしてゆく、
影もぞろぞろついてゆく、
白い埃も舞つてゆく。
西へ行つたは、空つぽの、
ふるい荷馬車がひとつきり。
ぢつとしてるは、生垣の、
しろい木槿と、私きり。
おまつりなんか、つまらない、
私はゆきたかないけれど、
けふは、あんまりよい日和。
お目々つぶれば足音が、
みんな東へすぎてゆく。
(隣村の祭)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
お祭りはみんな好きなものです。
にぎやかであざやかで、人々の群れ、
楽しいはずのお祭りも、
自分が参加できないと何とも
つまらない気がしてしまいます。
鈴木 澪
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