このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「はつ秋」です。
白いいかめしい日曜の銀行に、
ころ、ころ、ころ、とこほろぎが鳴き、
白いやうにうすい朝の空を、
すらすらと蜻蛉(とんぼう)が飛ぶ。
(秋は今朝
港に着いた。)
白い巨きな日曜の銀行に、
陽はかつきりと影をつくり、
白い絲のついた蝉は電線にからまつて、
うすい翅をふるはせてゐる。
(はつ秋:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
白い色がこの詩のテーマカラーでしょうか?
届いたばかりの秋……、
その様子が白色になって我々に語りかけます。
鈴木 澪
秋といえば「もみじ」とくるのに、
港についた秋のなんとさみしい白い秋。
夏が終っていく中に目をこらすと、
こんな風景がみすゞさんに見えたのですね。
今年の初秋、私も白を探してみよう。
大西 進
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