このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「忘れもの」です。
田舎の驛の待合室に、
しづかに夜は更けました。
いつのお汽車を待つのやら。
ふるい人形は、ただひとり。
しまひの汽車におどろいた、
蟲もひそひそ鳴くころに、
箒をもつたおぢいさん、
ぢつとみつめてをりました。
ふるい人形のかあさんは、
いく山さきを行くのやら。
とほく、こだまがひびきます。
田舎の驛は夜更けて、
しづかに蟲が、ないてます。
(忘れもの:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
古い人形が忘れ去られて、駅のベンチにいました。
ほんとうに忘れてゆかれたのでしょうか?
それとも、捨てられたものなのでしょうか?
鈴木 澪
駅員さんが終列車のあとの後片付け、
人形をみつけて話しかけもせず、
時が止まった一瞬の風景、絵になりますね。
大西 進
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