このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「二つの小箱」です。
紅絹(もみ)だの、繻子だの、甲斐絹(かひき)だの、
きれいな小裂が箱いつぱい。
黒だの、白だの、みどりだの、
なんきん玉が箱一ぱい。
それはみいんな私のよ。
いつか、ちひさい兄さんが、
船長さんになつたとき、
二つの小箱たのむのよ。
それはみいんな私のよ。
船は波路をなん千里、
小人の島へ交易に。
そしてかへりにや甲板に、
島の寳が山のやう。
それはみいんな私のよ。
私は明るい縁側に、
ずらりときれを並べるの。
それからさらさら音立てて、
なんきん玉をかずへるの。
それはみいんな私のよ。
(二つの小箱:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
みすゞさんの詩は、美しい色でできています。
それこそ絵になります。
みすゞさんの心も色彩でいっぱいだったのでしょう。
鈴木 澪
子どもの頃、誰れだって「宝物」を
いっぱい持ってましたね。
大人からみれば「ゴミ」や価値のないものでも
大事にそっとしまってて。
時には木の根元や引出しのおくに入れ、
一人ながめて「夢」みてたね。
それはみんな、ぼくのものだった。
みなさんはいかが?
大西 進
明日もぜひ見て下さいね。
(更新は午前中の予定)