このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「子供の時計」です。
こんな時計はないか知ら
三里さきから字がよめる
お城のやうな大時計
時計のなかのお部屋では
みんなで針をまはしたり
大きな振子にのつかつて
遠くの遠くを眺めたり
そして、みんながうたふとき
朝はお日さま眼をさまし
日ぐれは星が出るならば
どんなに私はうれしかろ
(子供の時計:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
子供にとって、
時間の経過はとても楽しみを運んでくるものなのです。
もうあと幾つ寝るとお正月♪などの歌があるように、
子供は時の経つのを楽しみにしています。
大人は、ああもうこんなに月日が経ってしまったとか、
一年なんてあっという間だよ、などと話しをします。
時の経過は恨めしいものでもあります。
大人になると、だんだん日々楽しくないことが多くなってきます。
いくら疲れていても生活のために仕事もしなければなりません。
大人にとってはこのまま時間が止まって、
どこか別の世界へ行ってしまいたい。
などと思うことが多くなりますが、
子供は前向きでいきいき時間を進めていきます。
鈴木 澪