このページでは金子みすゞさんの本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「舟乗と星」です。


舟乘は星をみた、


星はいつてた、


「おいでよ、おいで。」


波はずゐぶん高かつた。


舟乘の眼はかがやいた。


風もおそれず、波もみず、


星へへさきを向けてゐた。


舟乘は岸へついてた、


知らぬまに。


「星か、星か、」とおもつてた。


星はやつぱり遠かつた。


舟乘をにがしたと、


波はなほさら怒つてた。


(舟乘と星:金子みすゞ)


星は船乗りを楽しませたり、お伽の国へ誘ったりする心をとらえる魅力のあ

る存在に違いありません。それに引きかえ波は自分のことが「眼中」になか

った……、と怒っています。とても愉快な発想ですね。


鈴木 澪


とつぜんコワイお話し。みすゞさんは時々、こういうコワイお話しをします

ね。舟の上は本当にキケンがいっぱい。今のように設備がない時代の舟、し

かもまずしい漁師の舟ですから。

舟は星座をたよりに進みます。渡り鳥もそうだという説もありますね。


大西 進



明日もまた見て下さいね。

(午前中に配信予定)