このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「山の子の夢」です。
山のおくの
湯の町の、
宿のむすめの
見る夢は、
うつくしい
海の夢。
まろく
かさなる
朱の波に、
金と
銀との
むら千鳥。
さめておもへば
さみしいな、
それは手筥(てばこ)の
舞扇。
(山の子の夢:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
海を見たことのない人は
海に憧れるものです。
美しい海を想像していたら、
夢の世界へ……。ふと気付くと、
それは扇の絵だったなんて……。
娘のありがちなワンシーンです。
鈴木 澪
山のおくの湯の町、
これはふるさとのことを思って
書いていますねキット。
みすゞの旅で私も温泉にとまったけど、
海を思うみすゞさんらしい美しいうた。
大西 進