このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「ちひさなお里」です。
芥子(けし)人形、
芥子人形。
おまへのお里へ行きたいな。
おまへのお里の藁屋根は、
わたしの掌(て)にでものるだろ。
それでもげんげも咲くのだろ、
おまへも摘んでゐたのだろ。
げんげつみつみ日が暮れりや、
ちひさな月も出るのだろ。
芥子人形、芥子人形。
おまへの里の春の日は、
わたしでさへも、なつかしい。
巨きな室(へや)がさむいとき、
巨きな猫がこはいとき、
どんなにおまへにや戀(こひ)しかろ。
(ちいさなお里:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』(JULA出版局)より
私は芥子人形を見たことが
ありませんので調べてみると、
とても小さな5ミリから
1.5センチくらいのもののようです。
それに顔も手も足もあり
服を着ているのですから驚きです。
猫はまるで大きなライオンのように見えます。
鈴木 澪
ちいさな月、巨きなねこ、
ガリバーの世界のように
小人になって考えるみすゞさんの
たのしい時間、
小さいけど大きな世界です。
大西 進
明日もぜひ見て下さいね。
(更新は午前中の予定)