このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「雨のあと」です。
日かげの葉つぱは
泣きむしだ、
ほろりほろりと
泣いてゐる。
日向の葉つぱは
笑ひ出す、
なみだの痕が
もう乾く。
日かげの葉つぱの
泣きむしに、
たれか、ハンカチ
貸してやれ。
(雨のあと:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
泣いている日かげの葉に
ハンカチを貸してやれという発想は
いつもながらみすゞさんらしいと思います。
何事にもしばられない自由で柔軟な
思考回路を持ったみすゞさんならでは
の詩で心が洗われます。
人間とは違うけど心を
持っているだろう葉っぱに対して
愛情を持つとこの様な詩が生まれます。
常識という型にはまった大人達の多い
世間の中で理解してもらえない、
なんていうこともあったことでしょう。
私もイラストを描く上で
大事にしている事は真似ではなく、
独自の心から湧き出てくる
自分らしさです。
血液型ABの私としてはあくまでも
自分流をこよなく愛しています。
鈴木 澪
みすゞさんの目のむけ方、
目のつけどころに
いつもながら感心します。
太陽がとどかなくて、
いつまでもぬれている葉っぱに
ハンカチを届けてやれるのは
虫たちでしょうか、
風さんでしょうか?
大西 進