このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「喧嘩のあと」です。

 ひとりになった

 

一人になった。

 

むしろの上はさみしいな。

 

私は知らない

 

あの子が先よ。

 

だけどもだけども、さみしいな。

 

お人形さんも

 

ひとりになった。

 

お人形抱いても、さみしいな。

 

あんずの花が

 

ほろほろほろり。

 

むしろの上はさみしいな。

 

 

(喧嘩のあと:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

みすゞさんがけんかをするなんて

 

考えられないけれども、

 

この詩は実際のことか、

 

あるいは想像上のことなのか?

 

だれでも経験する想い、淋しい想いを

 

この短い詩の中でうたっています。

 

みすヾさんは情の厚い人なので、

 

淋しい気持ちも人一倍強かった

 

のかも知れませんね。

 

「さみしいな」が何回も出てくるこの詩、

 

みすヾさんの切ない気持ちが出ていて、

 

こちらまで切なくなります。

 

ひとりぽっちのお人形さんと

 

ひとりぽっちのみすヾさん。

 

その光景が見えるよう。そして、

 

杏の花がまた淋しくほろほろりと咲いている。

 

この詩は少女の心のひだを

 

巧みに表現していると思います。

 

鈴木 澪