このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「雪」です。
誰も知らない野の果で
青い小鳥が死にました
さむいさむいくれ方に
そのなきがらを埋めよとて
お空は雪を撒きました
ふかくふかく音もなく
人は知らねど人里の
家もおともにたちました
しろいしろい被衣(かつぎ)着て
やがてほのぼのあくる朝
空はみごとに晴れました
あをくあをくうつくしく
小さなきれいなたましひの
神さまのお國へゆくみちを
ひろくひろくあけようと
(雪:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
この詩もみすゞさんのやさしい心があふれています。
小さな小鳥の為にこんな心づかいをもって
詩にするみすゞさんを私は尊敬します。
鈴木 澪
この悲しさよ、美しさよ。オペラの舞台ですね。
美術家が活躍しますね。
でもステージにそれを再現することは不可能でしょう。
読む人のイメージの飛躍がすべてです。
それにしても「誰も知らない野のはて」とは、
これ以上さみしいところは見つかりませんね。
大西 進