このページでは金子みすゞさんの

本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「荷馬車」です。

 お馬は

 

じぶんの影んぼの、

 

をかしなお耳が踏みたくて、

 

下見ていそいで歩きます。

 

馬車屋は

 

空つぽの馬車の上、

 

おほきなお煙管横つちよで、

 

のどかにお空をみてゐます。

 

空には

 

雲がかがやいて、

 

昨夜の火事はうそのやう。

 

町にも春がぢき來ます。

 

 

(荷馬車:金子みすゞ)

 

『金子みすゞ全集』

(JULA出版局)より

 

 

のどかな風景。

 

そこはかとなく感じます。

 

最後の行が輝きます。

 

鈴木 澪

 

 

じっとみつめるその目には、

 

馬の気持、人間の気持、

 

そしてゆっくりかわっていく

 

自然の時の流れ。

 

一つがすべて、すべてが一つ。

 

大西 進