このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「お嬢さん」です。
道を教へた旅びとは、
とうにみえなくなつたのに、
私はとぼんとしてゐたよ。
いつも私のかんがへる、
あのおはなしのお國では、
お姫さまともよばれても、
あたしは貧乏な田舎の子。
「お孃さん、ありがたう。」
そつとあたりをみまはして、
なにかふしぎな氣がするよ。
(お孃さん:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
旅人にお嬢さんと呼ばれ、
自分に言われた気のしない
みすゞさん。
ふだんそのような言葉で
呼んでくれる人なんかいないし、
お嬢さんなどではないのに、
そう言われたことが嬉しいような
恥ずかしいような、
なんとも不思議に思えました。
鈴木 澪
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