このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「折紙あそび」です。
あかい、四角な、色紙よ、
これで手品(てづま)をつかひましよ。
私の十のゆびさきで、
まづ生れます、虚無僧が。
みるまに化(な)ります、鯛の尾に、
ほらほら、ぴちぴちはねてます。
鯛もうかべば帆かけ舟、
舟は帆かけてどこへゆく。
その帆おろせば二艘舟、
世界のはてまで二艘づれ。
またもかはれば風ぐるま、
ふつと吹きましよ、まはしましよ。
まだも變はつてお狐さん、
コンコン、こんどはなんに化きよ。
そこで化けます、紙きれに、
もとの四角な色紙に。
なんてふしぎな紙でせう、
なんて上手な手品でせう。
(折紙あそび:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
日本の折紙は本当にすばらしい。
誰が最初に考え出したものなのでしょうか?
ただの四角の紙が実に色々なものに
姿を変えて楽しませてくれます。
鈴木 澪
「だまし」といって、男の子も夢中でした。
昔、紙はキチョウ品でしたから、
一枚でいく通りものあそびをしましたっけ。
折ってのばして、また折って。
大西 進