このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「蓄音器」です。
大人はきつとおもつてゐるよ、
子供はものをかんがへないと。
だから、私が私の舟で、
やつとみつけたちひさな島の、
お城の門をくぐつたとこで、
大人はいきなり蓄音器をかける。
私はそれを、きかないやうに、
話のあとをつづけるけれど、
唄はこつそりはいつて來ては、
島もお城もぬすんでしまふ。
(蓄音器:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
なつかしい蓄音器、
そこから流れる音楽は子供の心もとらえます。
それを大人は分かってくれない、
とみすゞさんは言いたいのでしょう。
私も一心に考え事をしている時に、
近くのラジオから曲が流れたりすると、
考えがまとまらずラジオを消したりします。
鈴木 澪
この2行の出だし大好きです。
ほんとにほんと、
子どもだっていっぱい考えているのに、
ふと「子どものくせに」なんと大人は思うのですね。
だまってる大人もボーッとしているのではなく、
いっぱい考えているのです。
大西 進