このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「星とたんぽぽ」です。
青いお空の底ふかく、
海の小石のそのやうに、
夜がくるまで沈んでる、
晝のお星は眼に見えぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
散つてすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だァまつて、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
(星とたんぽぽ:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
みすゞさんが見えないけれどあるものとあげた、
海の底の小石やたんぽぽの根、
そして星は昼間には見えないと言っています。
見えないものの最たるものは「愛」でしょうか、
親の子を想う愛、
もちろん子の親を想う愛、
愛とは見えないけれども何とも限り無く
深いものでしょう。
見えないけれども誰の心の中にもあるもの、
愛は生きるものすべての貴重な財産です。
見えないものの中にこそ、大切なものが隠れている。
みすゞさんはそれを言いたかったのでしょう。
鈴木 澪
この詩はあまりにも「有名」です。
みすゞさんの詩の代表作の一つ。
この詩の前に「老楓」があってたんぽぽを思ったな、
と前後のつながりを感じた私。
リフレイン(見えぬけれども……)
の2行はほんとうに感動です。
大西 進