このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「輪まわし」です。
あの町ぬけて
この町ぬけて
輪まはし がァらがら。
一つ人力(じんりき)
二つ荷車
おひこして がァらがら。
三つ目をぬけば
もう町はづれ、
町の外へ がァらがら。
田圃のみちは
お空へつづく、
空の上まで がァらがら。
日が暮れかかりや
夕やけのなかへ
はうり出して、かァへろ。
海から出た星が、
その輪をかぶつて、
天文臺(てんもんだい)の博士、
びつくり、しやつくり、目をまはす。
「大發見ぢゃ、たいへんぢや、
土星が二つにふえちやつた。」
(輪まはし:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
土星にある輪にまつわるみすゞさん流の
少しユーモアのある詩です。
こんなことを考えるなんて、
みすゞさんはどこまでも心の澄んだ、
そして大きな心の持ち主です。
鈴木 澪
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