なめても、吸っても、まだ痛む
紅さし指のさかむけよ。
おもひ出す、
おもひ出す、
いつだかねえやにきいたこと。
「指にさかむけできる子は、
親のいふこときかぬ子よ。」
おとつい、すねて泣いたつけ、
きのふも、お使ひしなかつた。
母さんにあやまりや、
なほらうか。
(さかむけ:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
親の言うことをきかない悪い子を反省させる意味で、
このような事を昔の人は考えていたのでしょうか……。
私も同じように言われたことがありますので、
この詩のみすゞさんの気持ちがよく分かります。
鈴木 澪
昔の子はこんな風に注意されたり、
しかられたりよく泣きました。
大人は忙しかったから、
家事を手伝うことがたくさんありましたね。
「親のいうこと。」今思うと、
ありがたさが身にしみます。
社会のルール、マナーは
いつも親からでしたね。
大西 進