このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「絹の帆」です。
王樣のお船にかける帆は、
うすく、うすくといひつかる。
うす紫のうす絹に、
港のまちが繪と透いて、
とてもきれいな帆は帆だが、
風は、ぴゆうと來て、
穴あけた。
風のみちあけたらやぶるまい、
風のみちあけろといひつかる。
うすむらさきのうすぎぬに、
王樣の御紋のきりぬきで、
とてもきれいな帆は帆だが、
風は、ぴゆうと來て、
行きぬけて、
船は出やせぬ、
一尺も。
(絹の帆:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
帆に絹を使うことを考えたみすゞさん、
しかも王様のお船に……。
ぜいたくでも、きれいでも、
だけどそんなものは
役に立たなかったんですね。
鈴木 澪
すべてのものは、
それにふさわしいものがあることを
教えてくれています。
大西 進
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