このページでは金子みすゞさんの
本日の詩をご紹介しています。
「きょうのみすゞさんの詩は・・・」
「店の出來事」です。
霰(あられ)がこんころり、
潛戸(くぐり)からはいつた。
お連れになつてはいつた。
(こんばんは。)
(はい、いらつしやい。)
歌時計がちんからり、
お客さんの手で鳴つた。
あられの音にまじつて、
一つとやを歌うた。
(さやうなら。)
(はい、ありがたう。)
歌時計がちんからり、
鳴り鳴り出てつた。
消えるまできいてて、
ふつと氣がつけば、
霰はとうに止んでゐた。
(店の出來事:金子みすゞ)
『金子みすゞ全集』
(JULA出版局)より
お客さんは外の寒さを一緒に連れて
お店へ入ってきます。
あられが一緒とは……、歌時計?……、
楽しいお店の雰囲気が伝わってきます。
あられと歌とがコラボレーション。
鈴木 澪
下関はハイカラさんが多くいたのですね。
今ならケイタイチャクメロという
ところですかね。
私のいなか町では
柱時計以外ではきいてません。
大西 進