このページでは金子みすゞさんの本日の詩をご紹介しています。

 

「きょうのみすゞさんの詩は・・・」

 

「額のなか」です。

 


額のなかの人通り、


硝子にうつる人通り。


白い浴衣の小母さんが、


赤い苺を踏んでゆく。


黒いお洋傘の藥屋は、


葡萄の房を越えてゆく。


あかい苺が踏むほどに、


紫葡萄は山ほどに。


額のなかはいいお國、


誰もはいれぬ、いいお國。


額のなかの人どほり、


午(ひる)のまちの人どほり、


ひとりの部屋もたのしいな。


(額のなか:金子みすゞ)


絵の飾ってある部屋に一人でいても、外を通る人たちが額のガラス

映って賑やかです。一人でいることが寂しくないと思えるみすゞさ

んです。


鈴木 澪


ぼんやり見つめる一人ぼっちのみすゞさん。ぼんやり見ながら、ガ

ラスに写る人かげで別世界を想像し、たのしんでいるのですね。


大西 進



明日もまた見て下さいね。

(午前中に更新予定)